あの日ふたりは夢を描いた
そのあと、空気を重くしてしまったのではと反省した僕は、本棚から小学校の卒業アルバムを取り出し、一緒にそれを見て懐かしんだ。

きみとの時間を楽しんでいたらふと、彼女になにも出していないことに気づき、下にジュースを取りに行った。

その間に、きみにリュックに入っていた薬を見られるなんて思ってもみなかった。

『リュックの中に薬がたくさん入ってたけど、大丈夫なの?』

そんなこと言われたもんだから本当に焦ったよ。

『皮膚科で処方された薬さ』

なんて適当に思いついた嘘で僕は誤魔化してしまった。
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