あの日ふたりは夢を描いた
忘れられない夏
*
期末テストが無事に終わり、あと数日で夏休みが始まろうとしていた。
浮かれ気分で夏休みの予定を話す声が校内のあちこちで聞こえる。
私たちは一緒に屋上で昼食を取った。
お弁当を食べ終わってすぐ、私は照れくさかったのだが、彼にあるものを見せることにした。
「相馬くんにちょっと見てほしいものがあって」
お昼を食べ終えて眠くなったのか、大きなあくびをしながらこっちを向いた彼。
「ん?なに?」
「……書き始めた小説。まだ途中なんだけどね」
「えっ?もう書き始めたの!本当に?読んでいいの?」
急にテンションが上がった彼に圧倒される私。
「う、うん。素人の書いた文章なんて大したことないんだけどね」
「読みたい読みたい」
彼は小さい子どもみたいにはしゃいで、私から嬉しそうにスマートフォンを受け取り、スクロールして作品を読み始める。
期末テストが無事に終わり、あと数日で夏休みが始まろうとしていた。
浮かれ気分で夏休みの予定を話す声が校内のあちこちで聞こえる。
私たちは一緒に屋上で昼食を取った。
お弁当を食べ終わってすぐ、私は照れくさかったのだが、彼にあるものを見せることにした。
「相馬くんにちょっと見てほしいものがあって」
お昼を食べ終えて眠くなったのか、大きなあくびをしながらこっちを向いた彼。
「ん?なに?」
「……書き始めた小説。まだ途中なんだけどね」
「えっ?もう書き始めたの!本当に?読んでいいの?」
急にテンションが上がった彼に圧倒される私。
「う、うん。素人の書いた文章なんて大したことないんだけどね」
「読みたい読みたい」
彼は小さい子どもみたいにはしゃいで、私から嬉しそうにスマートフォンを受け取り、スクロールして作品を読み始める。