あの日ふたりは夢を描いた

『花火、一緒にやりたいです』

シンプルな文面にはシンプルな文を、と思いそれだけ打って返信した。

そしてその三日後、私はなぜか二度目となる相馬くんの家にお邪魔していた。

陽が落ちた頃、待ち合わせ場所に指定されたのは彼の最寄駅で、ダークグリーンのキャップを目深に被りシンプルな格好をした彼がいた。

私はというと鮮やかな水色のTシャツに黒のドット柄のキャミワンピを着て、多少のオシャレはしたつもりだ。

駅前には仕事終わりの人たちが多少はいるものの、それほど栄えている駅ではないため人はまばらだった。