あの日ふたりは夢を描いた
和やかな挨拶を終え、石畳の庭で二人だけの花火が始まる。

花火セットとローソク、マッチ、水の入ったバケツ。準備万端だ。

私もホームセンターで花火セットを買ってきていたので、彼が用意したものを合わせると二人分の量ではない。

彼が花火用のバケツ型のローソクにマッチを擦って火をつけ始める。

「相馬くんのお母さん、素敵な人だね」

「ん?そうかな」

「うん。なんか相馬くんによく似てるよ」

「よく言われる」

風もあまり吹いていなく簡単に火が灯った。
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