あの日ふたりは夢を描いた
「母さんも父さんも、姉さんも同じだよ」

「……理央」

「それに、彼女ならいつか、俺の気持ちもわかってくれるって信じてるから」

彼女は小説家志望で有能な人だ。感受性に長けていて想像力も豊かな人。

きっと、いつかわかってくれる。

僕を見る母さんは、必死で涙をこらえているようだった。

そんな顔、本当は誰にもしてほしくないんだ。
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