あの日ふたりは夢を描いた
浮かない顔つきでしぶしぶくじを引き、黒板に書かれた座席表の番号と今引いたくじの番号を照らし合わせる。


「じゃあ荷物持って移動してくれー」

自分の引き出しに入った教科書や筆箱をまとめ、新しい座席に移動した。

みんなざわざわと騒がしく、都合よくくじを交換している人もいる。

私は廊下側から二列目の一番うしろの席だった。なかなかいい席だ。

そう思っていると、右隣、つまり教室の一番隅に来たのは相馬くんだった。
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