あの日ふたりは夢を描いた
「じゃあリアルRPGがいい人ー?」と田代くんが一つずつ聞いて多数決を取っていく。

私は一番無難そうなベーグル屋に手を挙げた。

「ではみなさん顔を上げてください。多数決の結果、……オリジナル劇に決まりましたー!」

喜びの声と落胆の声が入り混じったクラス内。

……オリジナル劇?なんだそれは。私の苦手分野の匂いがして、急に不安になる。

すると右隣の彼が、急に大きな声を出した。

「田代くん!オリジナル劇の脚本は、並木真白さんが書きたいそうです」

「…………え?」

なにが起こったのかわからなかった。唖然として、まさに開いた口が塞がらない。
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