あの日ふたりは夢を描いた
脚本役を任されてから一週間。脚本の大まかなあらすじを書き上げることができていた。

物語のあらすじはこうだった。

【薄弱でいつも周りに流されてしまう一人の少年が、夏休みを使って自分を変えるための一人旅に出かける。

旅の途中で少年は少し変わった七人の魔法使いと出会った。

皮肉屋だけど実は優しい魔法使い、完璧そうに見えていつも空回りばかりの魔法使い、無口なのに突然突拍子もないことを言い出す魔法使い、ふわふわしているように見えて毒舌な魔法使い……

少年はそんな魔法使いたちに戸惑いながらも仲良くなっていく。

そしてその魔法使いたちは、旅先で少年が困難なことに遭遇したとき、ほんの少しの魔法を貸してくれる存在だった。

そうして迎えた旅の最終日、少年は魔法使いたちと別れなければならない時間がやってくる。

魔法使いたちは少年に言った。

「あなたに魔法はもういらない」と。

それは少年がこの旅で問題に立ち向かう勇気と強さを身につけたことを意味していた。

少年は魔法使いたちと別れる寂しさや不安を感じつつも、旅への充実感も感じていた。

それから迎えた新学期、以前とはほんの少し違う少年がそこにはいたのである。】

ストーリーはざっとこんな感じだ。人が変わっていく姿を書きたかった。
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