あの日ふたりは夢を描いた
病気がわかったのは今年の二月初め頃だった。

四十度近い高熱が一週間も下がらなくて、なにかおかしいと思い大きな病院で検査をした。

案の定、僕の体は病におかされていた。

聞いたこともない難しい病気だった。
若いから進行が早いと、余命は一年ほどだと、そう説明された。

だけど正直、あまりピンときていなかった。

余命宣告をされても何年も何十年も生き続ける人もいる。
インターネットで調べては、そういう人たちのブログや記事を読み漁った。

自分もきっとそうだろと。こんなに若くて元気な自分が死ぬなんて想像もできなかったから。
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