あの日ふたりは夢を描いた
大切な話がある。

そんな思いも込めて、僕は彼女の冷え切った手を優しく握った。

『僕はこれから先、真白がつらいときにそばにいてあげられない』

『だけどこれだけは覚えていて。僕はいつでも真白の味方だ』

彼女は真っ直ぐに僕の目を見て、時々うなずきながら静かに話を聞いていた。

『それからもう一つ、約束してほしい。この先なにがあっても、夢から逃げないこと』

きっともうこんなこと言わなくても大丈夫なんだろうけどさ。

念のためね。
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