あの日ふたりは夢を描いた
……そしてきっといつも泣くだろう。

そんなのは嫌だったんだ。

僕はアイドルとしてデビューできなかったとしても、きみの前ではいつもアイドルでありたかった。

きみを勇気づけられる存在でありたかった。

いつも笑顔を届けたかった。

大切な人をいつも笑わせたかった。


「……僕はきみにとってのアイドルになれただろうか」

答えは聞けないまま、呟いた声は冬の夜空に消えていった。
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