あの日ふたりは夢を描いた
文化祭後、彼が学校に来なくなったのは仕事が忙しかったからではない。

体調を崩して入院生活を送っていたのだ。

その日は家族やメンバー、マネージャー、事務所の関係者が偶然集まり、お見舞いには多くの人が来ていた日だったそう。

そこに吉浜くんもいた。

その日特に普段と変わりなかった彼は、ちょうどお昼時に『食堂でごはん食べてきなよ』とみんなを食堂に送り出した。

『ごはんなんてあとでいいよ』というみんなをよそに、彼は強く食堂に行くよう勧めた。

みんなが食堂に着いて各々が注文し始めたとき、彼のお父さんのスマートフォンが鳴った。

彼の病室から離れて一五分も経っていなかった。
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