あの日ふたりは夢を描いた
*吉浜side*
衝撃的な告白をされたのは二年生に上がる前の三月。春休みに入る前日だった。
学校帰り、家の方向が同じ俺たちは一緒に帰っていた。
「尚、俺病気が見つかった」
『今日の朝ごはんはパンだった』そんなどうでもいいことを話すような調子で、特に深刻に捉えている感じもなくそう告げてきた。
「……は?……病気って、なに?普通に治るんだろ?」
動揺する気持ちをなんとか落ち着かせながらそう聞き返したことを今でも覚えている。
「当たり前だろ。そんな深刻そうな顔するなよ」
「……だよな。ごめん」
病名が聞けなかった。いいや、聞けなかったんじゃない。
恐ろしい病気だったらどうしようと、怖くて聞きたくなかったんだ。
理央のこと、一番に理解している自信があったのに、なにもわかってなかった。
目に見える部分だけを理解して、信じたいことしか信じなかった。
衝撃的な告白をされたのは二年生に上がる前の三月。春休みに入る前日だった。
学校帰り、家の方向が同じ俺たちは一緒に帰っていた。
「尚、俺病気が見つかった」
『今日の朝ごはんはパンだった』そんなどうでもいいことを話すような調子で、特に深刻に捉えている感じもなくそう告げてきた。
「……は?……病気って、なに?普通に治るんだろ?」
動揺する気持ちをなんとか落ち着かせながらそう聞き返したことを今でも覚えている。
「当たり前だろ。そんな深刻そうな顔するなよ」
「……だよな。ごめん」
病名が聞けなかった。いいや、聞けなかったんじゃない。
恐ろしい病気だったらどうしようと、怖くて聞きたくなかったんだ。
理央のこと、一番に理解している自信があったのに、なにもわかってなかった。
目に見える部分だけを理解して、信じたいことしか信じなかった。