あの日ふたりは夢を描いた
文化祭が終わった翌日から、理央はぱたりと学校に来なくなってしまった。

それが仕事のことでなのか病気のことでなのか、最初はわからなかった。

心配になってメッセージを送ると、『少しだけ入院する』とだけ帰ってきた。

俺は薄々なにかを感じ取っていたのかもしれないけど、気づかないふりをしたんだ。

理央のお見舞いに度々行っていたが、理央はあまりそれを好まなかった。

「調子はどう?」

「ぜんぜん大丈夫」

理央はいつも笑顔でそれしか言わなかった。
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