あの日ふたりは夢を描いた
「いつも来なくていいよ。気持ちだけ受け取っておくから」

「うん。だけど……」

「また学校に行くから、学校で会お」

それほどつらそうに見えなかった理央に、いつしか安心感を覚えてしまっていた。

「わかった。学校で待ってる」

「おう」

そんな会話をしたが、いつになっても理央は学校に来なかった。

さすがに心配になった俺はまた理央に会いに行った。

まさかその日が理央の笑顔を見る最後の日になるなんて、思いもしなかった。
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