あの日ふたりは夢を描いた


気持ちが落ちて休み続けていたアルバイトも再開し、また以前と変わらない日常が流れ始めていた。

「叔父さん、長い間休んでごめんなさい。また今日から頑張ります」

「人間休むのも仕事のうちだよ。真白が戻ってきてくれてよかった」

「ありがとう」

エプロンを着て胸元に名札をつけ店頭に出る。

段ボールに入った商品化した本を棚に補充していく。

目の前のことに集中していると時間が過ぎるのはあっという間で、アルバイトをしている時間は雑念もそれほど考えなくて済む。

今は特に考えたくないことも多いから。
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