あの日ふたりは夢を描いた
「……相馬くん」
彼の名前を小さく呟き、こぼれる涙を拭いながらスマートフォンを真柄くんに返した。
彼は自分の命がほんのわずかしかないことをちゃんとわかっていた。
だから私をよく理解する真柄くんに自分の思いを託した。
「相馬は本当にすごいやつだな。ライバルだなんて言ってるけど、俺なんかぜんぜん敵わないよ」
私は首を大きく左右に振る。
「……そんなことないよ」
「今つらいのは見ててわかる。俺だって正直きついよ。
だけどいつもそばにいるから。いつも並木の味方でいるから。なにかあったら頼ってほしい」
そんな優しい真柄くんの思いにも涙が出た。
彼の名前を小さく呟き、こぼれる涙を拭いながらスマートフォンを真柄くんに返した。
彼は自分の命がほんのわずかしかないことをちゃんとわかっていた。
だから私をよく理解する真柄くんに自分の思いを託した。
「相馬は本当にすごいやつだな。ライバルだなんて言ってるけど、俺なんかぜんぜん敵わないよ」
私は首を大きく左右に振る。
「……そんなことないよ」
「今つらいのは見ててわかる。俺だって正直きついよ。
だけどいつもそばにいるから。いつも並木の味方でいるから。なにかあったら頼ってほしい」
そんな優しい真柄くんの思いにも涙が出た。