あの日ふたりは夢を描いた
昨日デビュー会見があったらしく、そのときの映像が流れていた。

食べることも忘れ、思わずテレビに集中してしまう。

「まずはデビューを聞いたときのお気持ちをお聞かせください」

二人は目を合わせ、一番年上の朝日くんが代表してマイクを持った。

「はい。まずは僕たちのデビュー会見にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。

会見を行う前に、僕たちから皆さまにこの場をお借りしてお話ししたいことがあります。

よろしいでしょうか」

カメラのシャッター音が鳴り響く。

司会のはきはきした女性が『どうぞ』と手で合図をする。
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