あの日ふたりは夢を描いた
五月のそよ風が彼のさらさらの髪を静かに揺らしていた。
「……あんまりさ、私と関わらない方がいいんじゃないかな」
なにも答えない彼に少し怯みつつ続けた。
「私とあなたは正反対だよ。あなたと私が一緒にいたら、みんなよく思わない。
あなたはみんなの人気者で将来有望で、私は学校生活にも適応できない駄目な人間で……」
そこまで言ったところで、いつもより低い彼の声が話しを遮った。
「きみは本当に駄目な人間だろうか?」
「……えっ?」
どこからどう見たって私なんか……
「いつも言ってるだろ。僕はきみを知っているって」
彼は足を伸ばし両手を斜め後ろにつきながら、楽な姿勢で当たり前にそんなことを言った。
「……あんまりさ、私と関わらない方がいいんじゃないかな」
なにも答えない彼に少し怯みつつ続けた。
「私とあなたは正反対だよ。あなたと私が一緒にいたら、みんなよく思わない。
あなたはみんなの人気者で将来有望で、私は学校生活にも適応できない駄目な人間で……」
そこまで言ったところで、いつもより低い彼の声が話しを遮った。
「きみは本当に駄目な人間だろうか?」
「……えっ?」
どこからどう見たって私なんか……
「いつも言ってるだろ。僕はきみを知っているって」
彼は足を伸ばし両手を斜め後ろにつきながら、楽な姿勢で当たり前にそんなことを言った。