あの日ふたりは夢を描いた
小学生の頃までは発表の時間なんてなんてことなかったのに、今では学校生活に支障をきたすほどの状態になってしまった。

朝からそんな自分の状態について考え憂鬱になりながら、最寄駅から学校までの通学路を傘をさして歩いていた。

気づけば六月に入っていて、雨の日が増えた。


「並木、おはよう」

私の前屈みの傘から顔を覗かせたのは真柄くんだった。

相変わらず透き通るような白い肌とふわっとセットされた黒髪がよく似合ってる。

そして向けられた花のような笑顔が、じめっとした空気を明るくしてくれていた。
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