あの日ふたりは夢を描いた
「……言われてるって、なにを?」

顔を上げた吉浜くんと目が合う。
相馬くんのの言葉を思い出していたのか、その表情は優しく穏やかだった。

「自分がいないとき、並木になにかあったら助けてやってくれって」

「……相馬くんが?」

「うん」

「……どうして」

「さぁ」

知ってるのに教えない、そんな言いぐさだった。

「ただ、これだけは知っていて。

理央は並木のこと、すごく大切に思ってるよ」

私は目を丸くして、何度も瞬きしながら吉浜くんを見た。
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