あの日ふたりは夢を描いた
俺が理央にすることは、理央に頼まれたからじゃない。自分がしたくてしていることだから。

これからも理央とずっと友達でいたかったから。

「なにも気にすることじゃないよ」

「本当に助かってる」

親しみやすいのに礼儀正しくて、理央を嫌う人なんていないと本気で思った。

「大したことしてないから」

常に人目に晒されて大変なこともあったと思う。
遅刻したり早退したり、学校を休んだり、日々過酷なスケジュールをこなしていたにもかかわらず、理央は疲れた表情を一切見せたことがなかった。

理央はいつでもアイドルだった。
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