あの日ふたりは夢を描いた
「理央はどんなときでもアイドルなんだな」

「えっ?そうかな」

そんなことを伝えても、理央はあっけらかんと呑気にヘヘッと笑うだけだ。

「アイドル以外の理央が想像できないよ」

「それは最高の褒め言葉だ」

目を細めてくしゃっと笑った。
そんな理央の隣にいられることがいつも誇らしかった。

「昔からの夢だったんだ。今やっとスタートラインに立ててる。がむしゃらに突き進んで絶対に夢叶えるから見ててよ」

夢を語る理央はいつも真剣だった。希望に満ち溢れた表情でそう語った理央を、今でも鮮明に覚えている。
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