あの日ふたりは夢を描いた
理央のこういう素直なところ、ほんと尊敬するわ。アイドルとして愛される素質が十分に備わっている。

「ははっ驚いた?」

「驚いたっていうか、なんていうか……。並木と知り合いだったの?」

正直、並木真白に理央をそんなふうに魅了するなにかがあるとは、そのときはまだ思えなかった。

「いや、ただ単に俺が一方的に好きなだけ。彼女は俺のこと、ぜんぜん知らない」

「……そっか。一目惚れ、的な?」

「まぁ、それもあるかな」

理央は柔らかい表情でそう答えた。

「彼女、相当すごい人なんだな」

「あぁ、とても」

彼女のことを頭に思い浮かべていたのか、幸せそうに微笑んでいた。
< 67 / 321 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop