あの日ふたりは夢を描いた
誰にも理解されず自分の状態だって改善せず、私はこれからどうやって生きていけばいいんだ……

そんなことを考えていたらさらに憂鬱になってきた。

布団を顔まで被り目をぎゅっと瞑りベットに横になっていると、カーテンがサッと開く音がする。

布団から少し顔を出すと、午前中は学校に来ていなかった相馬くんの姿があった。

驚いて彼の顔から目が離せなかった。


「……どうしたの?」

「どうしたって、きみに会いに来た」

「なんで?授業は?」

「さぼるなら、一緒にさぼろう」

「……さぼりじゃないです。本当に気分が良くないの」

「ならちょうどよかった。新鮮な空気を吸いに行こう」

ずるいなぁ……

雑誌の一部を切り取ったようなキラキラのアイドルスマイルを向けられ、心が揺れ動いてしまった。
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