10歳差の王子様
ノック音が聞こえた。
あさひとドアの方を見た。
「焼き芋しようぜ!」
…兄貴。
めっちゃくちゃタイミング悪いんだけど。
「碧斗も一緒だろ?サツマイモ買って来たから!」
空気を読んでくれ、今そんな呑気なこと言ってる空間じゃないんだ。
あさひがはぁっと息を吐いてドアを開けた。
「拓海くん、今忙しくて…」
「息抜きも必要だぞ」
「今休憩したし、適度に休んでるよ」
「あさひは根詰め過ぎてる、もう少し力抜いてやらないと潰れるぞ」
「………。」
兄貴がぽんっとあさひの肩を叩いた。
なっと、微笑みかけて。
「……わかった」
それにうんと小さく頷いたあさひ。
一瞬だった。あさひを納得させるのに。
「ほら、碧斗も来い!焼き芋すぐ焼き上がるから!」
そう言われてゆっくり立ち上がる。
なぜだろう、なぜあさひは兄貴の誘いに"うん"って答えたんだろう。
やっと身長も追いついたのに、やっとあさひと同じ目線になったのに…
全然同じ場所にいない。
あさひとドアの方を見た。
「焼き芋しようぜ!」
…兄貴。
めっちゃくちゃタイミング悪いんだけど。
「碧斗も一緒だろ?サツマイモ買って来たから!」
空気を読んでくれ、今そんな呑気なこと言ってる空間じゃないんだ。
あさひがはぁっと息を吐いてドアを開けた。
「拓海くん、今忙しくて…」
「息抜きも必要だぞ」
「今休憩したし、適度に休んでるよ」
「あさひは根詰め過ぎてる、もう少し力抜いてやらないと潰れるぞ」
「………。」
兄貴がぽんっとあさひの肩を叩いた。
なっと、微笑みかけて。
「……わかった」
それにうんと小さく頷いたあさひ。
一瞬だった。あさひを納得させるのに。
「ほら、碧斗も来い!焼き芋すぐ焼き上がるから!」
そう言われてゆっくり立ち上がる。
なぜだろう、なぜあさひは兄貴の誘いに"うん"って答えたんだろう。
やっと身長も追いついたのに、やっとあさひと同じ目線になったのに…
全然同じ場所にいない。