「孤高の悪女」で名高い悪役令嬢のわたしは余命三か月のようなので、最期に(私の想い人の)皇太子の望みをかなえてあげる予定です。なにか文句ある?
教育係のシュナイト侯爵夫人
なんの前触れもなくわたしが皇宮に現れたものだから、関係者だけでなく皇宮にいる人々はいろいろな意味で慌てふためきざわめいた。
そんな人々を見ながら、苦笑を禁じ得ない。
皇宮では、物心ついたときから暴れている。いいえ、訂正。いまは皇太子になっているコルネリウス・ユーヴェルベークの幼馴染、というよりかは乳兄妹として、お世話をしている。ではなく、お世話になっている。
つまり、皇宮内でわたしを知らない人はいない。
しかも、みんな嫌がっていたり迷惑がっている。
なにせわたしは「孤高の悪女」だから。
というわけで、皇宮内にある第三番目の門にさしかかったとき、衛兵と門を通る通せないで揉めてしまった。すると、宮殿から飛んできた。
皇族専属の教育係の総元締めであるデリア・シュナイト侯爵夫人が。
シュナイト侯爵家は、代々皇族の教育係として仕えている由緒正しき家系である。一族みんながなにかしらの指導をしていて、なぜかみんなメガネをかけている。それがまた、似合っているから不思議でならない。
『ガチガチ』
皇太子と二人で、彼女たちをまとめてそう呼んでいる。
それはともかく、シュナイト侯爵夫人は、慌てふためき飛んできたようである。
そんな人々を見ながら、苦笑を禁じ得ない。
皇宮では、物心ついたときから暴れている。いいえ、訂正。いまは皇太子になっているコルネリウス・ユーヴェルベークの幼馴染、というよりかは乳兄妹として、お世話をしている。ではなく、お世話になっている。
つまり、皇宮内でわたしを知らない人はいない。
しかも、みんな嫌がっていたり迷惑がっている。
なにせわたしは「孤高の悪女」だから。
というわけで、皇宮内にある第三番目の門にさしかかったとき、衛兵と門を通る通せないで揉めてしまった。すると、宮殿から飛んできた。
皇族専属の教育係の総元締めであるデリア・シュナイト侯爵夫人が。
シュナイト侯爵家は、代々皇族の教育係として仕えている由緒正しき家系である。一族みんながなにかしらの指導をしていて、なぜかみんなメガネをかけている。それがまた、似合っているから不思議でならない。
『ガチガチ』
皇太子と二人で、彼女たちをまとめてそう呼んでいる。
それはともかく、シュナイト侯爵夫人は、慌てふためき飛んできたようである。