「孤高の悪女」で名高い悪役令嬢のわたしは余命三か月のようなので、最期に(私の想い人の)皇太子の望みをかなえてあげる予定です。なにか文句ある?
「孤高の悪女」はやります
「せっかく時間と費用をかけて授業をしてくださっているのです。まともな内容にしていただけます? すくなくとも、正しい情報を述べるべきです」
「な、なんだと? まともだとか正しい情報だとか、どういう意味……」
「わたしがだれだかご存知ですか? わたしってイヤーな女なのです。だから、授業を邪魔して先生を侮辱することになんの抵抗もありません。ですが、あなたはそれ以前の問題のようです。わたしたちがこの帝国の歴史を知らないと思っていらっしゃるのか、それともあなた自身に知識がないのかはわかりませんが、あなたが機嫌よく囀っている内容のほとんどが間違っています。せめて人物の名前と何年に起こったのか、という基本的なことだけでも覚えておきましょうよ。今日、これまでの先生の間違いはこれだけありました」
彼の間違っていたところを指摘し、そのつど正した。
「嘘だ」
「嘘ですって?」
逆にキレられてしまった。
「いいえ、先生。すべてアイ様の言う通りです」
エリーザが歴史の教科書を見ながら冷静に告げた。
「不愉快だっ」
彼は、おおいに怒った。
「もう二度と教えてやるものか」
そして、子どもみたいに地団駄踏んでから広間を出て行ってしまった。
ほんっとわたしってばイヤな女よね。
危ない思想の持ち主の彼の背を見ながら、ほくそ笑んでしまった。
「な、なんだと? まともだとか正しい情報だとか、どういう意味……」
「わたしがだれだかご存知ですか? わたしってイヤーな女なのです。だから、授業を邪魔して先生を侮辱することになんの抵抗もありません。ですが、あなたはそれ以前の問題のようです。わたしたちがこの帝国の歴史を知らないと思っていらっしゃるのか、それともあなた自身に知識がないのかはわかりませんが、あなたが機嫌よく囀っている内容のほとんどが間違っています。せめて人物の名前と何年に起こったのか、という基本的なことだけでも覚えておきましょうよ。今日、これまでの先生の間違いはこれだけありました」
彼の間違っていたところを指摘し、そのつど正した。
「嘘だ」
「嘘ですって?」
逆にキレられてしまった。
「いいえ、先生。すべてアイ様の言う通りです」
エリーザが歴史の教科書を見ながら冷静に告げた。
「不愉快だっ」
彼は、おおいに怒った。
「もう二度と教えてやるものか」
そして、子どもみたいに地団駄踏んでから広間を出て行ってしまった。
ほんっとわたしってばイヤな女よね。
危ない思想の持ち主の彼の背を見ながら、ほくそ笑んでしまった。