「孤高の悪女」で名高い悪役令嬢のわたしは余命三か月のようなので、最期に(私の想い人の)皇太子の望みをかなえてあげる予定です。なにか文句ある?
嫌われ者
「ここは廊下です。歩くところですので歩いていたのです」
イルザを相手にするのは面倒臭いけれど、尋ねられた以上無視をするのは逃げることになる。だから、それがなにか? 的に応じた。
それに、いまのわたしは意欲に燃えている。その勢いのまま彼女を挑発したくなったということもある。
「それはそうね。ごめんなさいね。お父様と先生にお茶を淹れてきました。あなたもいかが? ほら、クッキーを焼いたのよ。あなたの大好きなチョコチップクッキー。よければ、あとで部屋に持って行くわ」
ほら、わざとらしい。
しかも、すぐに食べ物でつろうとして。
そうはいくものですか。
「いただきます。チョコチップクッキーだけ。わざわざ部屋に来ていただく必要はありません。瓶に入れて置いてください。適当につまみます。ほんと、お義母様のチョコチップクッキーは美味しすぎて、ついつい食べ過ぎてしまいますわ」
「そう? うれしいわ。だけど、胸がムカムカするんでしょう? ほどほどになさってね。それと、先生から処方されたお薬も飲んでね」
ふんっ!
心配しているふりは、あなたも息子のエリーアスと同様うまいわね。
イルザを相手にするのは面倒臭いけれど、尋ねられた以上無視をするのは逃げることになる。だから、それがなにか? 的に応じた。
それに、いまのわたしは意欲に燃えている。その勢いのまま彼女を挑発したくなったということもある。
「それはそうね。ごめんなさいね。お父様と先生にお茶を淹れてきました。あなたもいかが? ほら、クッキーを焼いたのよ。あなたの大好きなチョコチップクッキー。よければ、あとで部屋に持って行くわ」
ほら、わざとらしい。
しかも、すぐに食べ物でつろうとして。
そうはいくものですか。
「いただきます。チョコチップクッキーだけ。わざわざ部屋に来ていただく必要はありません。瓶に入れて置いてください。適当につまみます。ほんと、お義母様のチョコチップクッキーは美味しすぎて、ついつい食べ過ぎてしまいますわ」
「そう? うれしいわ。だけど、胸がムカムカするんでしょう? ほどほどになさってね。それと、先生から処方されたお薬も飲んでね」
ふんっ!
心配しているふりは、あなたも息子のエリーアスと同様うまいわね。