「孤高の悪女」で名高い悪役令嬢のわたしは余命三か月のようなので、最期に(私の想い人の)皇太子の望みをかなえてあげる予定です。なにか文句ある?
うっとりしながら、アポロニアにひっかけられたと悟った。
彼女は、わざとコルネリウスを悪く言い、わたしに擁護させたのだということを。
アポロニアは、わたしよりよほど「悪女」だわ。
敗北を認めざるを得ない。
やっとコルネリウスの唇が離れた。だけど、彼はまだわたしを抱きしめている。
「おめでとう、アイ。自慢の娘の結婚は複雑だがね」
「あなた、婚儀で『やはり嫁にはやらん』と反対しだしたり、手が付けられないくらい号泣なさらないでくださいね。ですが、ほんとうにうれしいですわ。わたしの自慢の娘でもあるのですから」
「父上、母上。可愛い妹をよその男にやるのは複雑ですが、彼女のしあわせを考えたら涙を呑むしかないのですね」
お父様と継母と異父兄は、やっとわたしを屋敷から追いだせるからよろこんでいる。
彼女は、わざとコルネリウスを悪く言い、わたしに擁護させたのだということを。
アポロニアは、わたしよりよほど「悪女」だわ。
敗北を認めざるを得ない。
やっとコルネリウスの唇が離れた。だけど、彼はまだわたしを抱きしめている。
「おめでとう、アイ。自慢の娘の結婚は複雑だがね」
「あなた、婚儀で『やはり嫁にはやらん』と反対しだしたり、手が付けられないくらい号泣なさらないでくださいね。ですが、ほんとうにうれしいですわ。わたしの自慢の娘でもあるのですから」
「父上、母上。可愛い妹をよその男にやるのは複雑ですが、彼女のしあわせを考えたら涙を呑むしかないのですね」
お父様と継母と異父兄は、やっとわたしを屋敷から追いだせるからよろこんでいる。