私と俺の一つの契約

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「……え」
突然の事に驚き、肩にかけていたスクールバックをぽすんと地面に落とし、そのまま座り込む。極端に私が小心者だったとか、ビビりだったとか、そんな理由で派手にリアクションをした訳では無い。
_____彼は地面から浮いているのだ。
短い茶色の髪に、いわゆる童顔といった可愛い顔立ちだが、身長は私よりありそうだ。見た目は私と同い年くらいの男の子だというのに、その異常性に私は耐えきれなかった。

「…そんなびっくりした?いや〜、そこまで驚いてくれるなんて、俺楽しくなっちゃうな〜!」
彼はその場でふわふわと嬉しそうに何回転かして、微笑んだ後、ん、と彼が手を差し出すと、私は何故か反射的に手を掴んでしまった。慌てて離そうとしたが、彼はそのまま私の体を引き上げ、地面に立たせる。もちろん、彼は浮いたままだが。そんな彼に私が放った第一声はこれだ。
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