闇堕ちしたエリート医師は一途に禁断の果実を希う
 


「コデマリって、だあれ?」


 自分のことも、自由のことも、覚えていないそぶりを見せる。
 まるで見ず知らずの人間のような彼女の姿。


「あなたは、だあれ?」





 ――ついさっき、愛を確かめあったはずの彼女は、自由の存在を忘れていた。
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