闇堕ちしたエリート医師は一途に禁断の果実を希う
 解離するふたつの思惟はぶつかりあいながら、自身に潜む本音を探りつづけ、白日の下へ晒すべく、ふたりの異性に向けて醜い姿を暴いてゆく。


 ――やめて。これ以上、愛さないで。


「どうかあたしに麻酔をかけて。これ以上、恋なんかできないように……!」



 亜桜(あさくら)小手鞠(こでまり)、十九歳。
 恋に憧れていた少女は乙女となるも、未だ与えられる愛に、怯えている――……
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