闇堕ちしたエリート医師は一途に禁断の果実を希う
 サイレンが間近まで迫り、静かになる。
 救急車と、パトカーが現場に到着し、それぞれ救命措置と実況見分を開始する。小手毬をはねた女性と自由は警察から事情を聞かれることに、そして小手毬は事故現場から一番近いところにある大学病院附属の医療センターへ搬送されることになる。
 やがて、救急隊員の手によって少女は担架に乗せられる。彼らの表情は必死だ。自由は祈ることしかできない。そして。
 すべて、悪夢であると、逃げることしか、できない。



 ――今はまだ、彼女を救えない。
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