雨宮課長に甘えたい  【コンテスト用】
 家にいたら悶々とする所だったけど、今日は予定を入れてあった。まりえちゃんと栗原さんの家に行って、お料理を教えてもらう事になっている。

 まりえちゃんとは11時に栗原さん家の最寄駅JR常磐線の松戸駅で待ち合わせた。
 改札に行くと、ベージュ色のニットワンピにキャラメル色のショートブーツ姿のまりえちゃんがいた。私だったら絶対にワンピの下はジーパンだけど、まりえちゃんは何と、生足! 細くて真っ白な美脚が膝上丈のワンピから出ている。

 まりえちゃんぐらい、綺麗な足をしていたら、自信を持って足を出せそう。うらやましい。
 私はというとジーパンにストライプシャツでその上に丈の長いブラウンのベスト。

 まりえちゃんがお洒落ベストですねって褒めてくれたので、ニットワンピ可愛いねって私もお返しに誉めた。そしたらまりえちゃんが嬉しそうな顔をして、お料理教室の後は彼とデートなんですって口にした。

 いいな。私も休日に拓海さんとデートしたい。

 電源を切ったままのスマホが気になる。やっぱり電源入れておこうかな。電源を切ったままじゃ、拓海さんが心配するだろうし。結局、心配させたいから電源を切っているんだよな。子どもっぽいな。私。

「中島さん、とりあえず駅ビルでお土産探します? ケーキ屋さんありましたよ」
「私、フルーツタルト買って来たよ」
「さすが中島さん。じゃあ、栗原さんに着いた事、知らせますね」
「ありがとう」

 まりえちゃんが連絡をしてから5分後、駅のロータリーまで栗原さんが黒のワンボックスカーで迎えに来てくれた。
 栗原さんが慣れている感じで運転して、あっという間に栗原家に到着。バックで車を車庫に入れる姿もカッコ良くて栗原さんをアネゴって呼びたくなった。
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