雨宮課長に甘えたい  【コンテスト用】
 拓海さんの唇が首筋から、鎖骨のあたりを優しく口づけていく。それから胸の谷間から胸の先端にかけて丁寧なキスをすると、大切な物に触れるように両手が私の両胸をすくい上げるように触れて、弱い力で揉み始める。

 拓海さんの指が気持ちいい。

「あんっ」
 胸の先端を親指の腹でくりくりと弄られて、思わず声が。バスルームに思った以上に大きく響いて恥ずかしい。

「可愛い声だね」
 耳元で拓海さんが囁いた。
 今まで聞いたどんな拓海さんの声よりも甘くて耳も感じてしまう。
「貸切風呂に入ろうと言われた時、俺、奈々ちゃんとこんな事をしている所ばかり想像していたよ」
「本当に?」
「うん。呆れた?」
「いえ。想像して頂けて光栄です」
 拓海さんがクスッと笑う。

「気になっていたんだけどさ。どうしてあの時、俺と同じ風呂に入りたいなんて言ったの?」
 私の目の前を通った仲の良さそうなカップルの姿を思い出す。

「あの時、目に入ったカップルが羨ましくて。私も拓海さんとお風呂でイチャイチャしたいなと思ったからです。でも、今思うと思いっきりセクハラ発言でしたね」
「そうだね。完全に上司と部下の関係ではアウトだ」
「アウトでした」
「平気で上司を動揺させるセクハラ発言をするから、今後出張に行かせるのが心配だよ。俺以外の男には言わないでくれよ」
「言いませんよ。拓海さんだったから言ったんです」
「あの時はもう一緒に風呂に入りたいぐらい俺が好きだったって事?」
「そうですよ。かなり好きでしたよ。覚えていないんですか? 私たちその次の日に初めてのキスをしたんですよ」

 甘えるように見つめると、拓海さんが真面目な顔をした。キリっとしたその表情がカッコいいい。

「覚えているよ」
 拓海さんの唇が重なる。甘くて優しいキス。
 拓海さんにキスされるといつも体がふわっと浮く気がする。

「拓海さん、もっとキスして」
「そんな可愛い顔しておねだりしないで。我慢できなくなるから」
「我慢しないで。私、拓海さんが欲しい」
「奈々ちゃん……」
 今度は激しいキスを拓海さんがしてくれた。唇を合わせると拓海さんの舌が深く侵入してくる。その舌と舌を絡ませ、下腹部の奥が熱くなっていくキスを繰り返す。絡み合った舌は動きを止める事なく、甘い刺激を与えあい、それが大きな快楽に変わった瞬間、急に体中の力が抜けた。キスが気持ち良過ぎて力が抜けてしまったよう。キスだけで、いってしまうなんて思わなかった。拓海さん、上手すぎる。
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