雨宮課長に甘えたい 【コンテスト用】
大学病院の休日診療用の出入口まで行くと、スーツ姿の久保田が立っていた。
「中島さん!」
私の姿を見つけて駆けてくる。久保田の表情は深刻で、佐伯リカコの容態が楽観視できないものだと思わせる。
「久保田、何があったの?」
「そちらは?」
警戒するように私の隣に立つ、拓海さんに久保田が視線を向けた。
「久保田君、僕だよ」
拓海さんがマスクを取ると、久保田が目を見開いて驚いた顔をする。
「あ、あ、雨宮課長!」
「しっ! 声が大きい」
私が注意すると久保田がハッとしたように口を押さえる。
「すみません。あまりにも驚いて。雨宮課長も運ばれたって聞いていたから」
「この通り、僕は大丈夫だよ。佐伯リカコは男と運ばれたんだね」
「はい。マネージャーの森さんの話では男は雨宮課長だって」
多分、運ばれた男は佐伯リカコの不倫相手だ。男の存在を久保田に言う訳にはいかなかったから、拓海さんって事にしたんだ。
「それで、二人は今どこに?」
「6階の集中治療室で治療中だと聞いています。まだ意識が戻らないようで」
「意識が!」
拓海さんが心配そうに眉頭を寄せた。
「中島さん!」
私の姿を見つけて駆けてくる。久保田の表情は深刻で、佐伯リカコの容態が楽観視できないものだと思わせる。
「久保田、何があったの?」
「そちらは?」
警戒するように私の隣に立つ、拓海さんに久保田が視線を向けた。
「久保田君、僕だよ」
拓海さんがマスクを取ると、久保田が目を見開いて驚いた顔をする。
「あ、あ、雨宮課長!」
「しっ! 声が大きい」
私が注意すると久保田がハッとしたように口を押さえる。
「すみません。あまりにも驚いて。雨宮課長も運ばれたって聞いていたから」
「この通り、僕は大丈夫だよ。佐伯リカコは男と運ばれたんだね」
「はい。マネージャーの森さんの話では男は雨宮課長だって」
多分、運ばれた男は佐伯リカコの不倫相手だ。男の存在を久保田に言う訳にはいかなかったから、拓海さんって事にしたんだ。
「それで、二人は今どこに?」
「6階の集中治療室で治療中だと聞いています。まだ意識が戻らないようで」
「意識が!」
拓海さんが心配そうに眉頭を寄せた。