雨宮課長に甘えたい  【コンテスト用】
 罪悪感でいっぱいになっていると、インターホンが鳴った。モニターに映ったのは拓海さんだった。

「急に押しかけてごめん」
 玄関ドアを開けると拓海さんが言った。
 佐伯リカコはもう落ち着いたんだろうか。聞こうとした時、拓海さんの腕が伸びて玄関で抱きしめられる。拓海さんの温もりにほっとする。

「ちょっと充電させて。さすがに疲れた」
 拓海さんの声がいつもより疲れている。

「拓海さん、大丈夫ですか?」
 目が合うと拓海さんがチュッて私の唇に短くキスをした。

「今、大丈夫になった」
 微笑んだ拓海さんに癒される。追い詰められていた気持ちが緩んだ。私も拓海さんで回復した。

「奈々ちゃん、夕飯食べた?」
「いえ」
「良かった。じゃあ作るから」
 拓海さんの手にはスーパーのレジ袋があった。
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