雨宮課長に甘えたい 【コンテスト用】
新しい年になって、最初に出社した日、疋田さんが書類を持って私のデスクまでやって来た。
「中島さん、引っ越しをされたようですが」
「はい」
引っ越せば住所変更の手続きを総務でしなければいけないので、すぐにバレる。
「住所が雨宮課長と同じようなのですが、どういう事ですか?」
「えっ」
疋田さん、拓海さんの住所まで確認しているなんて怖い。どうしよう。何て言おう。
「まさかあなた、雨宮課長に迷惑をかけるような事をしているんじゃないでしょうね? 住む所がなくて書類上に書く住所を借りているとか」
住所を借りるって……。疋田さんの想像力凄いな。一緒に暮らしているとは考えないんだ。
疋田さんの言葉が可笑しくて、つい笑みがこぼれる。
「何、笑っているの? 不愉快なんだけど」
冷たい声で言われた。笑ってはいけなかったのか。
「すみません。住所を借りている訳ではありませんし、雨宮課長にも迷惑をかけていないので、心配はいりません」
「じゃあ、どういう事なの?」
「どういうって、それは……」
拓海さんに一緒に暮らしている事を言っていいか、確認していなかった。佐伯リカコの件も落ち着いたし、つき合っている事をもう公表しても大丈夫だと思うけど、どうしよう?
「中島さん、引っ越しをされたようですが」
「はい」
引っ越せば住所変更の手続きを総務でしなければいけないので、すぐにバレる。
「住所が雨宮課長と同じようなのですが、どういう事ですか?」
「えっ」
疋田さん、拓海さんの住所まで確認しているなんて怖い。どうしよう。何て言おう。
「まさかあなた、雨宮課長に迷惑をかけるような事をしているんじゃないでしょうね? 住む所がなくて書類上に書く住所を借りているとか」
住所を借りるって……。疋田さんの想像力凄いな。一緒に暮らしているとは考えないんだ。
疋田さんの言葉が可笑しくて、つい笑みがこぼれる。
「何、笑っているの? 不愉快なんだけど」
冷たい声で言われた。笑ってはいけなかったのか。
「すみません。住所を借りている訳ではありませんし、雨宮課長にも迷惑をかけていないので、心配はいりません」
「じゃあ、どういう事なの?」
「どういうって、それは……」
拓海さんに一緒に暮らしている事を言っていいか、確認していなかった。佐伯リカコの件も落ち着いたし、つき合っている事をもう公表しても大丈夫だと思うけど、どうしよう?