雨宮課長に甘えたい 【コンテスト用】
拓海さんに連れられて会議室に行くと、阿久津と、人事の小宮部長までいた。
嫌な予感。せっかく拓海さんと暮らし始めたのに、やっぱり札幌の子会社に飛ばされちゃうの? 私、そこまで阿久津に睨まれる事した? 総務部に異動してからは大人しく……は、していないか。宣伝部の案件に首ツッコミまくっていた。ええーい。札幌でもどこでも行ってやる。自分のした事に後悔はない。
拓海さんに勧められて、阿久津の向かい側に座った。拓海さんは保護者のように隣に座ってくれた。
強面の顔をこっちに向けて阿久津が話し始める。
「中島、今日こそお前に責任を取ってもらおうと思ってな」
「阿久津部長、責任とは何でしょう?」
「創立記念パーティーでの事だ。宣伝部一押しの作品をお前の独断で選びやがって。映画関係者2000人の前で上映するんだ。ただの余興じゃない、大事な宣伝枠だとわかっているだろ?」
「もちろんです。私はウエストシネマズ一押しの作品を選んだつもりです。何かいけなかったですか?」
「問い合わせが殺到している。ただでさえ忙しいのに対応できない。久保田が毎日ヒーヒー言っていてうるさい。だから、中島、火をつけた責任を取れ」
「火をつけた責任?」
「宣伝部に戻って来い。『フラワームーンの願い』を担当しろ」
えっ!
「札幌じゃないんですか?」
思わず言ってしまった。
阿久津が一瞬、キョトンとして豪快に笑い出した。
「お前、飛ばされたいのか? 残念だが札幌ではなく、宣伝部だ。いいな。来週からだ。雨宮課長とも話をつけてある」
拓海さんを見ると、阿久津の言葉に同意するように頷いた。
嘘みたい。宣伝部に戻れるんだ。
嫌な予感。せっかく拓海さんと暮らし始めたのに、やっぱり札幌の子会社に飛ばされちゃうの? 私、そこまで阿久津に睨まれる事した? 総務部に異動してからは大人しく……は、していないか。宣伝部の案件に首ツッコミまくっていた。ええーい。札幌でもどこでも行ってやる。自分のした事に後悔はない。
拓海さんに勧められて、阿久津の向かい側に座った。拓海さんは保護者のように隣に座ってくれた。
強面の顔をこっちに向けて阿久津が話し始める。
「中島、今日こそお前に責任を取ってもらおうと思ってな」
「阿久津部長、責任とは何でしょう?」
「創立記念パーティーでの事だ。宣伝部一押しの作品をお前の独断で選びやがって。映画関係者2000人の前で上映するんだ。ただの余興じゃない、大事な宣伝枠だとわかっているだろ?」
「もちろんです。私はウエストシネマズ一押しの作品を選んだつもりです。何かいけなかったですか?」
「問い合わせが殺到している。ただでさえ忙しいのに対応できない。久保田が毎日ヒーヒー言っていてうるさい。だから、中島、火をつけた責任を取れ」
「火をつけた責任?」
「宣伝部に戻って来い。『フラワームーンの願い』を担当しろ」
えっ!
「札幌じゃないんですか?」
思わず言ってしまった。
阿久津が一瞬、キョトンとして豪快に笑い出した。
「お前、飛ばされたいのか? 残念だが札幌ではなく、宣伝部だ。いいな。来週からだ。雨宮課長とも話をつけてある」
拓海さんを見ると、阿久津の言葉に同意するように頷いた。
嘘みたい。宣伝部に戻れるんだ。