雨宮課長に甘えたい 【コンテスト用】
対応してくれたのは佐伯リカコのマネージャーの森さんだった。
「この間、望月先生にも同じ事を聞かれたんですよね」
森さんが困ったようなため息をついた。
「制作会社と、配給した会社はもう倒産してしまってないし、監督も亡くなっているんですよ。だからフィルムがどこにあるかもわからないし」
情報がないという事は映画会社が倒産している可能性が高いと思っていたけど、監督まで亡くなっているのか。これは難しい探し物かも。
「監督のお名前は?」
「細野豊だったかな。望月先生に聞かれたから調べてみたんです」
森さんが手帳を開いた。
「ああ、そうだ。細野豊監督。実はこの作品の一本しか撮ってないようで」
「新人の監督だったんですか?」
「みたいですね」
「佐伯リカコさんは監督について何かご存じではないんですか?」
「リカコはこの事については話したくないの一点張りなんです。何か複雑な事情があったようで」
「リカコさんは映画のフィルムや、データをお持ちじゃないんですか?」
「ないって言っていました。離婚した時に昔の物は全て処分したって」
「離婚? 佐伯リカコさんってバツイチだったんですか?」
森さんがしまったという顔をする。
「ここだけの話にして下さい。もう離婚したのは随分前ですから」
「あの、離婚の件は秘密にしますから、佐伯リカコさんに会わせて頂けないでしょうか?」
脅しのような事はしたくないが、時間がない。
「この間、望月先生にも同じ事を聞かれたんですよね」
森さんが困ったようなため息をついた。
「制作会社と、配給した会社はもう倒産してしまってないし、監督も亡くなっているんですよ。だからフィルムがどこにあるかもわからないし」
情報がないという事は映画会社が倒産している可能性が高いと思っていたけど、監督まで亡くなっているのか。これは難しい探し物かも。
「監督のお名前は?」
「細野豊だったかな。望月先生に聞かれたから調べてみたんです」
森さんが手帳を開いた。
「ああ、そうだ。細野豊監督。実はこの作品の一本しか撮ってないようで」
「新人の監督だったんですか?」
「みたいですね」
「佐伯リカコさんは監督について何かご存じではないんですか?」
「リカコはこの事については話したくないの一点張りなんです。何か複雑な事情があったようで」
「リカコさんは映画のフィルムや、データをお持ちじゃないんですか?」
「ないって言っていました。離婚した時に昔の物は全て処分したって」
「離婚? 佐伯リカコさんってバツイチだったんですか?」
森さんがしまったという顔をする。
「ここだけの話にして下さい。もう離婚したのは随分前ですから」
「あの、離婚の件は秘密にしますから、佐伯リカコさんに会わせて頂けないでしょうか?」
脅しのような事はしたくないが、時間がない。