雨宮課長に甘えたい 【コンテスト用】
7階の角部屋が雨宮課長の部屋だった。
課長が出してくれたグレーのスリッパを履いて廊下を進む。廊下の先には広々としたリビングとダイニングキッチンがあった。
部屋の間取りは4LDKだと課長が教えてくれた。私が住む1DKの部屋より全然広い。
グレーで統一されたインテリアもお洒落。それにスッキリと片付いている。テーブルの上に積まれた読みかけの本が唯一生活感を感じる。
「今、コーヒー淹れるから、適当にくつろいで」と、大きなテレビの前のソファを勧めてもらった。
「あの、お構いなく」
キッチンに立つ課長に言う。
課長はスーツ姿のままコーヒーの用意をしてくれる。
お疲れの所、申し訳ない。お手伝いした方がいいのかな。それとも大人しく待っていた方がいいのかな。
「中島さん。心配しすぎ」
じっと課長を見ていたら言われた。
「こう見えて、家事は得意なんだ。一人が長いしね。だから、コーヒーぐらい淹れられるよ」
「あ、いえ。何かお手伝いした方がいいのかと」
「大丈夫。ほら、終わった」
白いコーヒーカップを二つ持った課長がこっちに来る。
「どうぞ」
私の前に置いてもらった。
「いただきます」
コーヒーカップを掴んで飲もうとしたら、「あ、待って」と課長に言われた。
「まだ熱いかも。中島さん、猫舌でしょ?」
「なんで知ってるんですか?」
「この間、みんなで居酒屋で飲んだ時に言っていたから」
確かにそんな話をした。課長、覚えていてくれたんだ。
課長が出してくれたグレーのスリッパを履いて廊下を進む。廊下の先には広々としたリビングとダイニングキッチンがあった。
部屋の間取りは4LDKだと課長が教えてくれた。私が住む1DKの部屋より全然広い。
グレーで統一されたインテリアもお洒落。それにスッキリと片付いている。テーブルの上に積まれた読みかけの本が唯一生活感を感じる。
「今、コーヒー淹れるから、適当にくつろいで」と、大きなテレビの前のソファを勧めてもらった。
「あの、お構いなく」
キッチンに立つ課長に言う。
課長はスーツ姿のままコーヒーの用意をしてくれる。
お疲れの所、申し訳ない。お手伝いした方がいいのかな。それとも大人しく待っていた方がいいのかな。
「中島さん。心配しすぎ」
じっと課長を見ていたら言われた。
「こう見えて、家事は得意なんだ。一人が長いしね。だから、コーヒーぐらい淹れられるよ」
「あ、いえ。何かお手伝いした方がいいのかと」
「大丈夫。ほら、終わった」
白いコーヒーカップを二つ持った課長がこっちに来る。
「どうぞ」
私の前に置いてもらった。
「いただきます」
コーヒーカップを掴んで飲もうとしたら、「あ、待って」と課長に言われた。
「まだ熱いかも。中島さん、猫舌でしょ?」
「なんで知ってるんですか?」
「この間、みんなで居酒屋で飲んだ時に言っていたから」
確かにそんな話をした。課長、覚えていてくれたんだ。