わけあり男装近衛騎士ですが、どうやら腹黒王太子の初恋を奪ってしまったようです~悪役令嬢回避のつもりが、いつの間にか外堀を埋められていた件について~
『絶対にオレの近衛騎士になれ』
いくら断っても、意中の女性を口説くかのように、何度も何度もしつこく誘ってくる。
そして彼は権力者だ。その権力が、見え隠れし始めたとき、ケイトは父親に相談をした。父親も困ったようであったが『なぜ、もっと早くに相談しなかった』と、口にした。
ケイトを一人で悩ませてしまったことに、彼も胸を痛ませていたようだ。
どちらにしろ、今すぐ本物のケビンを文官として王都に呼び寄せるのも難しいこともあり、ケイトがケビンとして騎士団に入団した。時期がきたら、退団すればいい。三人はそう考えていた。
それから三年。
シュテファンもケイトも、二十歳を過ぎてしまったが、ケイトはケビンとしてシュテファンの護衛を務めていた。
この年になって問題になってくるのが互いの伴侶である。
特にシュテファンは第二王子として、いい加減婚約者を決めなければならなかった。むしろ、本来であればもっと前に決めるべき事案でもある。それをシュテファンがああだこうだと文句を言って、今まで引き延ばしていたのだ。
先日、シュテファンの出会いの場として、盛大な夜会が開かれた。国内の名だたる貴族の令嬢たちが、一斉に王城の大広間に集められた。
ようは、シュテファンの婚約者選びである。彼本人は気乗りしていない様子であったが、いろんな手前がある以上、この場で幾人かの女性を選ばなければならなかったらしい。
いくら断っても、意中の女性を口説くかのように、何度も何度もしつこく誘ってくる。
そして彼は権力者だ。その権力が、見え隠れし始めたとき、ケイトは父親に相談をした。父親も困ったようであったが『なぜ、もっと早くに相談しなかった』と、口にした。
ケイトを一人で悩ませてしまったことに、彼も胸を痛ませていたようだ。
どちらにしろ、今すぐ本物のケビンを文官として王都に呼び寄せるのも難しいこともあり、ケイトがケビンとして騎士団に入団した。時期がきたら、退団すればいい。三人はそう考えていた。
それから三年。
シュテファンもケイトも、二十歳を過ぎてしまったが、ケイトはケビンとしてシュテファンの護衛を務めていた。
この年になって問題になってくるのが互いの伴侶である。
特にシュテファンは第二王子として、いい加減婚約者を決めなければならなかった。むしろ、本来であればもっと前に決めるべき事案でもある。それをシュテファンがああだこうだと文句を言って、今まで引き延ばしていたのだ。
先日、シュテファンの出会いの場として、盛大な夜会が開かれた。国内の名だたる貴族の令嬢たちが、一斉に王城の大広間に集められた。
ようは、シュテファンの婚約者選びである。彼本人は気乗りしていない様子であったが、いろんな手前がある以上、この場で幾人かの女性を選ばなければならなかったらしい。