開けずの手紙2ーデジタルー
不安マックスの少女たち③
その2日後の夕方前…。
11月にしては珍しい25度近い陽差しが照っていた、福岡県久留米市街…。
高校2年の柳本由真は、学校から帰宅後、そう広くはない家の庭に出てある作業に興じていた。
「ナムアミダブツ、ナムアミダブツ…」
菜園用のシャベルで外水道の混柱脇の土を50センチほど堀り、その穴の中にそっと収めた魂に向かって、由真は目を閉じて別れの祈りを捧げていた。
「レミン…、さようなら。先週逝ったパルルにもよろしくね」
由真はしゃがんだ態勢のまま、ペットのレミンが横たわるに穴にそっと土を埋め戻した。
レミンは真由が自宅で飼っていたハムスターだった。
***
「ふう…、今日は外に出てるだけで汗ばんじゃうわ」
真由が”作業”を終え、外水道で手を洗っていると…。
「お姉ちゃん、たたいま…」
「ああ、ミズホ…。お帰り」
3歳年下の妹ミズホが学校から帰ってきたようだ。
ミズホは玄関横に自転車を止めると、たった今、真由が”埋葬”した混柱脇に目をやり、姉に問いかけた。
「レミン、パルルの隣に埋めたんだ…」
「うん…。今お別れしとったとこよ」
「そう…。じゃあ、私もね…」
そう言って、ミズホは姉のかわいがっていたペット2匹の墓前に向かってしゃがみ、手を合わせた。
”全く…、同じかごの中のペットが1週間で立て続けに死んじゃったんじゃ気が滅入るよ。ただでさえ、この辺りは連鎖自殺が頻発してるんだもん…”
レミンとパルルに別れを告げている妹の後ろ姿を眺めながら、真由は心の中でどっとため息をつくのだった…。
その2日後の夕方前…。
11月にしては珍しい25度近い陽差しが照っていた、福岡県久留米市街…。
高校2年の柳本由真は、学校から帰宅後、そう広くはない家の庭に出てある作業に興じていた。
「ナムアミダブツ、ナムアミダブツ…」
菜園用のシャベルで外水道の混柱脇の土を50センチほど堀り、その穴の中にそっと収めた魂に向かって、由真は目を閉じて別れの祈りを捧げていた。
「レミン…、さようなら。先週逝ったパルルにもよろしくね」
由真はしゃがんだ態勢のまま、ペットのレミンが横たわるに穴にそっと土を埋め戻した。
レミンは真由が自宅で飼っていたハムスターだった。
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「ふう…、今日は外に出てるだけで汗ばんじゃうわ」
真由が”作業”を終え、外水道で手を洗っていると…。
「お姉ちゃん、たたいま…」
「ああ、ミズホ…。お帰り」
3歳年下の妹ミズホが学校から帰ってきたようだ。
ミズホは玄関横に自転車を止めると、たった今、真由が”埋葬”した混柱脇に目をやり、姉に問いかけた。
「レミン、パルルの隣に埋めたんだ…」
「うん…。今お別れしとったとこよ」
「そう…。じゃあ、私もね…」
そう言って、ミズホは姉のかわいがっていたペット2匹の墓前に向かってしゃがみ、手を合わせた。
”全く…、同じかごの中のペットが1週間で立て続けに死んじゃったんじゃ気が滅入るよ。ただでさえ、この辺りは連鎖自殺が頻発してるんだもん…”
レミンとパルルに別れを告げている妹の後ろ姿を眺めながら、真由は心の中でどっとため息をつくのだった…。