開けずの手紙2ーデジタルー
不安マックスの少女たち⑤


真由とミズホの庭先での立話はさらに続いていた…。

「でもねえ…、私ら所詮未成年やし、自己防衛って言ったら、手紙ブロックの連名アクションか、ネットの電子お祓い程度だよ。できんのは。これじゃあ、インフルエンザの予防注射の用も足しておらんよ」

ハンカチで汗を拭う妹のミズホは、そう言いながら、眉間にはシワを寄せていた。

「みんな、気休めだってわかっとる。だから不安で不安で、呪い掛けられる前に、ノイローゼで自殺しおった子もおるって噂が出回るくらいやもん…。実際、私ら九州北部の中高生はパニック状態になってるんだろうね…」

「お姉ちゃん…。例のサイトの人、本当に来るんよね、福岡に…?」

ここで妹は思い出したかのように、姉へ早口で問い尋ねた。


***


「うん、あさっての昼前に福岡へ到着予定だって」

「そう!お姉ちゃん、会うんだよね?」

まだカバンを手にしたままのミズホは、もう前のめりになっていた。

「その日の夕方に久留米のサンライズ・ビューホテルで会う約束しとる。なんか、霊能力者の人も一緒らしいわ」

「ホント?じゃあ、連鎖自殺の呪いをかけられない方法とか、聞けるかもしれんねー、お姉ちゃん」

妹は目を大きく見開いて、姉に同意をねだった。

「そこまではどうかと思うけど、そのアライブってとこ、例の開けずの手紙だとか、百夜殺しの関連、かなり精通してる感じなんだよね。これはなんとなくやけど…、半年ちょっと前くらいに東京西部でココと同じような現象はやった時さあ、あの人ら、何らかで関与してる感じがさ。もしかすると、くびれ柳の木とかって呪いの媒体を役立たずにしたの、同行する霊能力かもしれんしね」

「なら余計によく聞いてきなよ、お姉ちゃん。わざわざ九州まで出向くくらいだから、今の北九州の事態には関心があるんだよ」

「そうだね。まあ、今までもメールでやり取り重ねてきてるから、私の伝えたことをその目で確認する目的なんだろうけど、要は真剣になってくれてるんだし。よく話をしてくる」

「頼むね、お姉ちゃん。…ああ、そうだ!私も実は、クラスの男子のいとこが東京西部の高校通っとるってんで、その男子のお姉ちゃんと色々やり取りしてたらしいんだけど、なんか数日前に、そこの学校の先生とケータイで話したみたいなんよね」

「!!!」

真由にとって、それは寝耳に水のサプライズであった…。




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