開けずの手紙2ーデジタルー
不安マックスの少女たち⑥
「ミズホ…、それ、よく聞かせて!まず、そのいとこの子の高校、連鎖自殺者出たの、半年前とかに…?」
「ううん。いとこの通う高校は結局、生徒の自殺はなかったって。でも、その高校の物理の先生が去年まで赴任してた近くの学校で、数か月か前に元教え子が立て続けで、二人連鎖ってことだったらしいんだ」
今度は姉の真由の方が、正面の妹に向かって前のめり状態になっている。
「そうなの…。それで、連鎖は止まっんだよね?」
「そう聞いてるみたいやわ、彼女。まあ、そのいとこの知る限りってことやろうけど」
「それで、そこの学校の先生って、その物理の?」
「ううん。物理の先生は若い男の先生で、今回電話で話したのは女の先生やったって聞いてるよ」
「ミズホ…、その女の先生とはどんな話をしたの?」
ここで真由は声のトーンが変わった。
言うまでもなく、ミズホの返答には、多大な興味を寄せていたからである。
***
”その先生、わざわざ、北九州のパンデミック絡みで電話してくるくらいだもん…、開けずの手紙とかにか何らかタッチしてきたのかもしれない。少なくとも、こっちの学校みたいに、ハナから呪いを否定はしていない立場をとってる先生だよ、きっと。そうであれば、一体ミズホの友達のいとことは何を話したのか…”
「詳しくは聞いておらんけど、何しろこっちの連鎖自殺が大変なことになっとるってことで、九州の状況をいろいろ尋ねられたそうよ。特に、とっぱじめのええと…、ああ、深浦総合か…。あそこの大量連鎖のことは、すごく関心があるようだったって」
「…」
「それで、その先生、とても心配してくれてたって。そのいとこだって、いつ自分が自殺に導かれる呪いがかかるかわからないし、私らと同じで不安な毎日を過ごしてるからさ、彼女、あまりに親身になってくれてるって感じて、電話口で涙がこぼれてきたって」
「そう…。東京じゃあ、そんな先生もいるのね…」
真由は目を細め、どこか複雑な表情を浮かべていた…。
「ミズホ…、それ、よく聞かせて!まず、そのいとこの子の高校、連鎖自殺者出たの、半年前とかに…?」
「ううん。いとこの通う高校は結局、生徒の自殺はなかったって。でも、その高校の物理の先生が去年まで赴任してた近くの学校で、数か月か前に元教え子が立て続けで、二人連鎖ってことだったらしいんだ」
今度は姉の真由の方が、正面の妹に向かって前のめり状態になっている。
「そうなの…。それで、連鎖は止まっんだよね?」
「そう聞いてるみたいやわ、彼女。まあ、そのいとこの知る限りってことやろうけど」
「それで、そこの学校の先生って、その物理の?」
「ううん。物理の先生は若い男の先生で、今回電話で話したのは女の先生やったって聞いてるよ」
「ミズホ…、その女の先生とはどんな話をしたの?」
ここで真由は声のトーンが変わった。
言うまでもなく、ミズホの返答には、多大な興味を寄せていたからである。
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”その先生、わざわざ、北九州のパンデミック絡みで電話してくるくらいだもん…、開けずの手紙とかにか何らかタッチしてきたのかもしれない。少なくとも、こっちの学校みたいに、ハナから呪いを否定はしていない立場をとってる先生だよ、きっと。そうであれば、一体ミズホの友達のいとことは何を話したのか…”
「詳しくは聞いておらんけど、何しろこっちの連鎖自殺が大変なことになっとるってことで、九州の状況をいろいろ尋ねられたそうよ。特に、とっぱじめのええと…、ああ、深浦総合か…。あそこの大量連鎖のことは、すごく関心があるようだったって」
「…」
「それで、その先生、とても心配してくれてたって。そのいとこだって、いつ自分が自殺に導かれる呪いがかかるかわからないし、私らと同じで不安な毎日を過ごしてるからさ、彼女、あまりに親身になってくれてるって感じて、電話口で涙がこぼれてきたって」
「そう…。東京じゃあ、そんな先生もいるのね…」
真由は目を細め、どこか複雑な表情を浮かべていた…。