開けずの手紙2ーデジタルー
その6



”ガー、ガガガガー…”

アライブの狭い事務所内は、挽きたての香ばしいコーヒーの香りが漂っていた。

「まあ、国上さん、熱いコーヒーでも一杯どうぞ…」

「ああ、すみません。いただきますよ」

二人はしばし、コーヒーを口にしながら一息ついていた。

”この人は、三浦美咲の一件を解決した後、もし百夜殺しが再発するようなら、それは何を意味するかをずっと考えてきたんだろう。結局、くびれを呪いから排除して、数週間でいきなり九州発のパンデミックだった。このこととくびれ以降のセカンド・スポットの因果関係か…。どうやら国上さんは、九州に飛べば何かが見いだせるとみているようだ…”

この後、二人は九州での行程を確認し合った。


***


「では、大牟田の霊能力者仲間の方は、鬼島からの呪われ手の方を除霊したということですか?」

「まあ、開けずの手紙と呼び寄せ夢の中身を依頼者本人から聞かされたそうですから、間違いないですよ。どうやらその人はほかにも霊が憑いていたようで、彼はそっちを憑りはらったってことです。まあ、今回私から細かくレクチャーすれば、彼も戦力なると思いますよ。何しろあっちに行ってからだ…」

コーヒーカップを片手にした国上は後段、自分に言い聞かせていた。
その真意を察していた鷹山は、大きく一息ついて九州発ちの同志へエールを送るかのように合いの手を返した。

「そうですね。俺も今度対決する鬼島を前回を同じに捉えていませんので。まずもっては九州の状況を把握して、その先を探りましょう。和田さんと野坂奈緒子さんも、協力してくれることなりましたし…」

「そうですか…。あのお二人を、また引き込んでしまうんですな…」

国上は少々やるせないといった表情を浮かべたが、すぐに苦笑し、気持ちを切り替えていたようだった…。





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