開けずの手紙2ーデジタルー
パンデミック・イン九州④
『…ああ、和田さん。早速、連絡をいただきましたね(苦笑)』
「どうやら、予想されてたみたいですな。今日のニュースが流れれば、俺か奈緒子さんがそちらへ”問い合わせ”すると…(苦笑)」
『まあ、奈緒子さんはまだですが、おそらくあの報道を知れば、あなたと同じことを考える。何しろ、まずは”その通り”ですよ、和田さん…』
「じゃあ、少なくともあなたは現時点で、鬼島の例の手紙による呪いが原因でって捉えてるんですね。国上さんも…」
『そうです。間違いなく、鬼島則人の放った呪いの伝達装置はまだ機能していた…。要は、くびれ柳を駆逐しただけでは、ヤツの呪いは終結しなかったってことになります』
「ふう…。心の奥では多分そんな可能性は低くないとは思ってはいたが…。何ともですよ、鷹山さん…!」
和田のショックというか落胆というか、そのやるせない心中は、この一言で電話越しに鷹山の胸ヘストレートに届いたようだ。
***
『和田さんの気持ちは、こっちにもズシリと伝わってきますよ。でも、どうなんだろうか…。三浦美咲を鬼島の呪いから救い出し、くびれ柳を事実上葬った。その結果、今回の九州は確かに深刻な事態だが、少なくともくびれを役立たずに持って行けたんですよ』
「…」
『…もし、くびれ柳があのままだったら、呪いで自殺に追い込まれていた人間の命を、そのことで数多く救ったってことにもなるんです。…私はそこで割り切っていいと思うし、そうであって欲しいとも思います。どうですか、和田さん?』
和田には、鷹山の気持ちがいやというほどわかっていたが、彼は正直な心の内を吐き出すのだった…。
『…ああ、和田さん。早速、連絡をいただきましたね(苦笑)』
「どうやら、予想されてたみたいですな。今日のニュースが流れれば、俺か奈緒子さんがそちらへ”問い合わせ”すると…(苦笑)」
『まあ、奈緒子さんはまだですが、おそらくあの報道を知れば、あなたと同じことを考える。何しろ、まずは”その通り”ですよ、和田さん…』
「じゃあ、少なくともあなたは現時点で、鬼島の例の手紙による呪いが原因でって捉えてるんですね。国上さんも…」
『そうです。間違いなく、鬼島則人の放った呪いの伝達装置はまだ機能していた…。要は、くびれ柳を駆逐しただけでは、ヤツの呪いは終結しなかったってことになります』
「ふう…。心の奥では多分そんな可能性は低くないとは思ってはいたが…。何ともですよ、鷹山さん…!」
和田のショックというか落胆というか、そのやるせない心中は、この一言で電話越しに鷹山の胸ヘストレートに届いたようだ。
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『和田さんの気持ちは、こっちにもズシリと伝わってきますよ。でも、どうなんだろうか…。三浦美咲を鬼島の呪いから救い出し、くびれ柳を事実上葬った。その結果、今回の九州は確かに深刻な事態だが、少なくともくびれを役立たずに持って行けたんですよ』
「…」
『…もし、くびれ柳があのままだったら、呪いで自殺に追い込まれていた人間の命を、そのことで数多く救ったってことにもなるんです。…私はそこで割り切っていいと思うし、そうであって欲しいとも思います。どうですか、和田さん?』
和田には、鷹山の気持ちがいやというほどわかっていたが、彼は正直な心の内を吐き出すのだった…。