開けずの手紙2ーデジタルー
悪夢甦る⓶


≪今、ファイル開封しました。この中で、久留米の女子高生のメールはどう解釈したらいいのでしょうか?≫

≪僕も鷹山さんには、まだ細かい説明はもらっていないが、この子の地元の状況報告には、かなり関心を注いでいるようです≫

≪私も、この子の情報には何か訴えられるものを感じます。今までと違うことが起こってるって…、そんなものが伝わってくるんです≫

≪今度の九州行きでは、彼女と真っ先に会うそうです。鷹山さんらが戻ったら、かなり突っ込んだところまで見えてくるかも知れませんね≫

二人はこの夜、余分なやり取りはせず、最低限の意見交換のみでとどめた。
そして、翌週鷹山と国上が九州から戻ってきた後、二人でアライブに赴くことを申し合わせた。


***


”予想通り、奈緒子さんは九州のパンデミックは鬼島のネクスト・ステージということで消化していた。無論、胸の内は俺同様穏やかでないだろうが、彼女は平静だったな。その上で、鷹山さんからのユーザーメールは躊躇なく見たいってな…。さすがだ。こうとなれば、まずは鷹山さんらには奈緒子さんと一緒に会う…”

すでに和田は奈緒子とともに、鬼島則人の仕掛けたであろう呪いのゲーム第2ステージへの挑戦を決意していた。

”あとは手嶋か…。ヤツも三浦美咲の時はコアなところに引き込んじまったからな。どこまでってとこはあるが、ある程度は関与させずには済まないか…”

手嶋が高校生だったころから、和田は彼の気質を知り尽くしているだけに、今回の”再発”に心を痛めているであろう元教え子を
慮からずにはいられなかったのだ。

そして手嶋には、奈緒子からその夜のうちに、和田と連絡を取り合った旨が伝えられた…。






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