【短編集】片想い、余命2日
幼なじみの片想い
1
十年。
これは私、三沢由依の片想い歴だ。
相手は幼なじみの、片倉壱。
『俺、由依のために、全部一番になるよ』
眩しい笑顔で言われたそれで、私は簡単に壱に落ちた。
でも、小学生のころは付き合うなんて知らなくて、ただかっこいいな、好きだなと思っているだけだった。
そこから壱はさらにかっこよくなって、高校生になった今ではとにかくモテている。
最近では女の子に囲まれていない瞬間を、滅多に見ない。
ついでに、彼女を切らしたこともない。
そんな壱と私は不釣り合いなような気がして、私は、自分の想いを胸に秘めることにした。
壱が女の子といるところを見て、心はもう、ボロボロだけど。
「今日も女の子に囲まれてるのね、奴は」
化学室に移動していたら、隣を歩く深優が、目の前にいる壱を睨んでいた。
その光景を見たくない私は、苦笑して流す。
「……いいの?」
でも、深優は流してくれなかった。
深優は小学生のころからの友達で、唯一私が壱に片想いしてることを知っている人。
同じくらい、私が壱を見て苦しんでいることも知っているから、深優は壱に対してあまりいい印象を抱いていないらしい。
これは私、三沢由依の片想い歴だ。
相手は幼なじみの、片倉壱。
『俺、由依のために、全部一番になるよ』
眩しい笑顔で言われたそれで、私は簡単に壱に落ちた。
でも、小学生のころは付き合うなんて知らなくて、ただかっこいいな、好きだなと思っているだけだった。
そこから壱はさらにかっこよくなって、高校生になった今ではとにかくモテている。
最近では女の子に囲まれていない瞬間を、滅多に見ない。
ついでに、彼女を切らしたこともない。
そんな壱と私は不釣り合いなような気がして、私は、自分の想いを胸に秘めることにした。
壱が女の子といるところを見て、心はもう、ボロボロだけど。
「今日も女の子に囲まれてるのね、奴は」
化学室に移動していたら、隣を歩く深優が、目の前にいる壱を睨んでいた。
その光景を見たくない私は、苦笑して流す。
「……いいの?」
でも、深優は流してくれなかった。
深優は小学生のころからの友達で、唯一私が壱に片想いしてることを知っている人。
同じくらい、私が壱を見て苦しんでいることも知っているから、深優は壱に対してあまりいい印象を抱いていないらしい。
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